誕生木とは生まれた月にちなんだ、樹木のことです。ご自分やご家族、大切な方の誕生月にゆかりのある樹木の特徴や木言葉を知り、樹木にもっと親しんでみませんか。12ヶ月の誕生月の樹木をその木言葉と特徴と共に紹介していきます。
1月〜6月の誕生木
1月 松(マツ)
1月の誕生木、松の木言葉は「荘厳」です。
松は非常に種類が多く、二様松類で代表的なものとして挙げられるものはアカマツとクロマツになります。アカマツは比較的内陸部に多く、黒松は潮風に強いため沿岸部の防風林として植林されています。どちらも構造材や床材、造作材などの建築材として多く使用され、水に強いために杭の材料としても使われていました。
松の名前の由来には諸説ありますが、古くから神の宿る神聖な木とされていて、神が木に宿るのを「待つ」ところから名付けられた、という説があります。正月に玄関先に飾る門松は、新年に歳神(別名お正月さま)を迎えるためのものだとされています。
2月 胡桃(クルミ)
2月の誕生木、胡桃の木言葉は「知性」「知恵」「野心」です。
胡桃は木材としてはウォールナットと呼ばれ、チークやマホガニーと共に世界三代銘木の一つに数えられるほど優れた性質を持っています。
古代ギリシャ、ローマでは長寿、豊穣、多産の象徴として結婚式で来客に振る舞われていました。胡桃はギリシャ語で「カリヨン」といい、「カリ」は脳という意味です。
3月 檜(ヒノキ)
3月の誕生木、檜の木言葉は「不滅」「不老」「不死」「強い忍耐力」です。
檜には独特の芳香があり、檜風呂や檜酒器などに使われ、多くの人に愛されています。また、檜のアロマオイルには、鎮静・消臭・抗菌・細胞成長促進などの作用があり、注目を集めています。
「杉と樟は船に、檜は宮殿に。」という記述が日本書紀にあるように、日本では古来より宮殿の建設材として最高の木材とされてきました。
耐久性と保存性は世界的にも指折りのレベルで、檜で建てられた法隆寺、五重塔、薬師寺の塔は1,300年もの時を経て今もなお堂々とした姿を維持しています。
4月 山桜(ヤマザクラ)
4月の誕生木、山桜の木言葉は「微笑」です。
山桜は古くから日本に自生してきた樹木の種で、サクラの中では長寿で大きく成長します。ソメイヨシノと違い、開花と同時に赤っぽい色の若葉をつけるため、花が咲いているところを遠目から見ると赤色が混ざった色に見えるのが特徴です。
源氏物語や百人一首などの古典に登場するサクラはすべてこの山桜です。
5月 杉(スギ)
5月の誕生木、杉の木言葉は「雄大」「堅固」「堅実」「君のために生きる」です。
杉は長寿で高い樹高が特徴です。日本で最も古くから植林された木で、日本人の暮らしには縄文時代から深く関わってきた、と考えられています。
杉の名は真っすぐ、スクスク上に伸びることから「すぐ(直)な木」「スクスク伸びる木」というような言葉に由来していると考えられています。
6月 樟(クスノキ)
6月の誕生木、樟の木言葉は「忍耐」です。
樟の香りは「樟脳」として昔から防虫剤や消臭剤、医薬品などに使用されてきました。
樟の名の語源は、その木の形が荘厳で神々しいことから神秘的・霊妙であることを意味する「奇(くす)し」が一説として挙げられています。映画「となりのトトロ」でトトロが住んでいる御神木がこの樟であることは有名ですね。
7月〜12月の誕生木
7月 栃(トチ)
7月の誕生木、栃の木言葉は「博愛」です。
栃はきめ細やかで柔らかい木肌で、木材としては加工のしやすい木です。栃の実はどんぐりとともに米に代わる主食として大切にされてきました。
栃の名の由来は、トが「十」、チは「千」で、たくさんの実や葉をつけることによると言われています。
8月 欅(ケヤキ)
8月の誕生木、欅の木言葉は「健康」「長寿」「崇高」です。
欅は成長が速く樹形が扇形に広がることから、古くから街道沿いに植えられ、夏の暑い日差しから旅人を守る役割を果たしてきました。
欅の名の由来は「目立つ、一際優れている」という意味の「けやけき木」からきていると言われています。
9月 朴(ホオ)
9月の誕生木、朴の木言葉は「誠意ある友情」です。
朴は水に強く、まな板の材料として有名です。葉の大きさは日本の広葉樹の中で最大級、殺菌作用もあるため朴葉餅や朴葉寿司など、食物を包むために利用されていました。
朴の由来は「包む」を意味する古語、ホオ、からきていると考えられています。
10月 栗(クリ)
10月の誕生木、栗の木言葉は「真心」「満足」「公平」です。
栗は木材としては重く硬く、加工が困難ですが建物の土台として優秀で、鉄道の枕木に使われていたことがあります。
日本人と栗の関係は古く、縄文時代の三内丸山遺跡での調査では、その時代には食用や建築材として栽培されていたことが明らかになっています。
11月 銀杏(イチョウ)
11月の誕生木、銀杏の木言葉は「しとやか」「鎮魂」「長寿」です。
銀杏は油分があり、水捌けが良いことから水回りやまな板などに利用されています。
銀杏は2億年以上も前の古生代ペルム機が起源とされる古代植物です。氷河期を乗り越え現代まで生き抜いた生物として「生きた化石」と呼ばれています。
日本では、関東大震災でも燃えずに残っていたことで、火に強い木として街路樹に採用されたという歴史があります。
12月 樅(モミ)
12月の誕生木、樅の木言葉は「向上」です。
樅には抗菌性があり、しかも無数であることから蒲鉾板やそうめんの箱などに利用されています。
樅には古くから霊的な力があるとされてきました。赤ちゃんが誕生した時に樅を植えたり、死者を送るときには口内に樅の種を入れたり、北欧では特別な存在として人々の暮らしに深く関わっていました。クリスマスツリーもその一例です。
日本では諏訪大社の御柱柱で神木として扱われるのは樅です。地域を問わずに揉が宗教的な力があると信じられてきたのには、樅に含まれる殺菌や消炎作用などの薬効成分が含まれているからだと考えられています。
まとめ
以上、12ヶ月の誕生木を紹介しました。大切な方へのプレゼントに、誕生木の木工品を贈ると喜ばれるのではないでしょうか。
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